服になる繊維にはどんなものがあるの?

 繊維を大別すると天然繊維と化学繊維に分かれます。
天然繊維
分類 繊維名 主な生産地 性質
植物繊維 綿 アメリカ、エジプト、インド、メキシコなど 全繊維の中でも比較的強く、濡れているときはさらに10〜20%強くなります。
亜麻(ロシア、ベルギー、ポーランド)
ラミー(中国、台湾、東南アジア、ブラジル)など
綿より1.6倍の強度。吸湿性、吸水性が高く、さらっとした質感が夏の衣料として最適。
動物繊維 オーストラリア、ニュージーランド、ロシア、アルゼンチン、アメリカ、中国など 全繊維中吸湿性が最大。保湿性が高く暖かい。
強度はさほど強くなく、アルカリに弱い。燃えにくい。
日本、中国、韓国、ロシアなど 上品な光沢としなやかさが特徴。染色性、ドレープ性、弾力性に富み、高級品に利用されます。

科学繊維
分類 繊維名 発祥は? 性質 用途
再生繊維 レーヨン 1892年イギリスで初めて原料の木材パルプからビスコース法により製法されました。 レーヨンはセルロースから成るので綿や麻のような性質に近い。濡れると収縮し、強度も弱くなります。 シャツ、ブラウス、ワンピースなど
キュプラ 1919年ドイツのベンベルグ社により製品化されました。原料は木材パルプ。 レーヨンより強度、吸水性、染色性に優れています。 下着、裏地など
ポリノジック レーヨンの弱点を改良したもの。原料はパルプ。 強度、耐アルカリ性が大きく、縮みや形くずれもほとんどない。 和服、洋服、下着、インテリア製品など
半合成繊維 アセテート 1920年代に工業化が進み、日本では昭和12年に国産品が製造されました。原料は木材パルプ、綿リンター。 光沢に富みふっくらとした風合いで弾性に富み、プリーツ加工やエンボス加工もできます。 服地、セーター、カーテン、洋傘など
トリアセテート
プロミックス 天然たんぱく質(牛乳たんぱく)とビニル化合物を共重合したもので、1963年日本で開発。 一言で言うと「シルクライク」
絹のような美しい光沢があり、形くずれやしわになりにくい。
フォーマルドレス、和服、ネクタイ、ニット、スカーフなど
合成繊維 ナイロン 1938年アメリカのカローザスによって発明され、デュポン社で工業化。原料は石油。 軽くて強度が繊維中最大。
伸びが大きく弾力性に富みしわになりにくい。
婦人服、スポーツウエア、水着、ストッキング、ファンデーションなど
ポリエステル 1949年イギリスのICI社がテリレンで商標化、その後アメリカのデュポン社がダクロンという商標で工業化。テトロン。原料は石油、天然ガス。 他の繊維との混紡や交織、交編に適し、それぞれの繊維の長所が生かされ、逆に欠点を補い合います。 衣料品から産業用まで幅広く用いられています。
アクリル(系) 1948年アメリカのデュポン社がオーロンという商標で工業化。
原料は石油、天然ガス。
軽くふんわりや柔らかいのでウールのような性質があります。
静電気がおきやすいのが難点。
婦人服、紳士服、セーター、手袋、靴下、カーテン、クッション、ヘアピースなど
ビニロン 1939年桜田一郎らにより日本で開発。原料は石油、天然ガス、石炭。 吸湿性は合成繊維の中で最も高い。摩擦や耐候性が高いので産業用に利用されます。 ワーキングウエア、学生服、魚網、ロープ、シート、テント、建築用安全ネット、帆布など
ポリウレタン 1959年アメリカで生産。スパンデックスともいいます。原料は石油。 ゴムのような伸縮性と弾力性を持ちます。 スポーツウエア、水着、婦人服、ソックスのゴム編、サポーターなど
上記の他に、ポリエチレン(イタリアで開発)、ポリ塩化ビニル(ドイツで開発)、ビニリデン(アメリカで開発)、ポリクラール(日本で開発)、ベンゾエート(日本で開発)などがあります。
無機繊維 ガラス繊維と炭素繊維があり、ガラス繊維はケイ石、石灰石、ほたる石、苦灰石でこれらを調合し繊維化します。炭素繊維は、アクリルやレーヨンを焼成して作ります。


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