生地の名前にもいろいろな由来や語源があるんだよね?

時代の移り変わりや、新素材・加工技術の進歩で本当の名前からそれたものもありますが、
ここではよく耳にする織物を紹介しましょう!

綿織物
金巾(かなきん) かなきんという名称はポルトガル語から出たもので、本来は東部インドの手織り綿布。(スポーツシャツ、ブラウス、椅子カバー等)
キャラコ 金巾を漂白してのりをほどこして光沢のなる布地に仕上げたもの。(シャツ、ブラウス、エプロン等)
ポプリン たて糸密度の多い、よこ畝があらわれている綿織物。(シャツ、ブラウス、スポーツウエア等)
ブロードクロス 毛織物タイプと綿織物タイプがあり、本来は牧師用の服として織られた毛織物が語源になっています。(ワイシャツ、子供服、テーブルクロス等)
ガーゼ 折り目の粗い平織り綿布で通気性がよい。(衛生用材料、ハンカチ等)
モスリン 本来はイギリスの綿糸を使った平織りの織物で、最初はイラク北部のモスルで織り始めたといわれます。
ボイル たて糸、よこ糸に強撚糸を用いた粗く透けて見えるような薄地の平織り織物(ブラウス、シャツ、スカーフ等)
サッカー しじら織り風に波打った部分と平らな部分が交互に織り出された立体感のある織物(夏物婦人服、パジャマ等)
リップル 仕上げ加工によって布面に波上の凹凸を作る綿織物(夏物衣料、カーテン等)
楊柳クレープ S撚りまたはZ撚りのいずれか一方の強撚糸を用いて片しぼを出した織物(夏物衣料)
綿縮(めんちぢみ) 平織りの織物でよこ糸に強撚糸を用いた縮織りの総称(夏物衣料)
しじら織り たて方向に縮れた縞のある織物で、徳島県の阿波しじらが独特のしぼ立ちで有名(婦人・子供服、シャツ地等)
デニムとダンガリー 縦糸にはインディゴ染めの綿糸、よこ糸にはさらし太綿糸または未ざらしの太綿糸を用いた2/1または3/1斜文織の織物です。ダンガリーはデニムと逆の織り方になります。(ジーンズ、作業服等)
コージュロイ コール天ともいう。毛足の短いパイルがたて畝状に続くパイル組織の織物。(ジャケット、スラックス等)
別珍 英語のベルベッチンから転じたアテ字、綿ビロードともいいます。よこパイル組織の織物で地は平織りのものと斜文織りのものがあります。(服地、コート、足袋、インテリア等)
オックスフォード 縦、横糸とも2〜4本の綿糸を引きそろえて織ったななこ織りの通気性の良い織物。(夏物衣料)
ピケ たて二重織りの組織を用いて盛り上がった畝をあらわした織物。(婦人・子供服、インテリア、帽子等)
シャンブレー フランスのシャンブレーで織り始めた事が名の由来、たて糸に染色糸を、よこ糸にさらし糸またはたて糸と異なる染色糸を用いたソフトな感じの平織り織物。(ワンピース、ブラウス、エプロン等)
ギンガム 綿の単糸で織る格子または縞の先染め織物。(夏物衣料)

麻織物
アイリッシュリネン 本来はアイリッシュ産の高級亜麻織物を指していたのが、現在ではヨーロッパ諸国で生産される織物に対する商標としても用いられていて、平織りが最も多い。(婦人服、テーブルクロス等)
ローン フランスのロン(Laon)で織り始めたことが名の由来。高級薄地の亜麻織物で手触りが柔らかく独特の風合いがあります。(ブラウス、ランジェリー、ハンカチ等)
上布(じょうふ) 上質の麻布のことで、江戸幕府への「上納布」、「献上布」の名に由来するといわれています。特に上質なものに越後上布、宮古上布、能登上布があります。
ロードクロスクラッシュ 織り糸が太くて不均整なものという意味の平織り組織の亜麻織物。光沢があり、肉厚で糸むらが見え粗野な感じがする布地です。(テーブルクロス等)
ヘシアンクロス 麻の紡績糸を用い、粗い密度で織った平織りの布地のこと。(椅子の下張りや敷物の基布など)

毛織物
シャリー 紡毛糸か梳毛糸、または毛合繊混紡糸で平織りに織った、軽くて柔らかい薄地の織物。(婦人服、スカーフ)
トロピカル 熱帯地方の、という意味の梳毛織物で、薄地で軽く平滑でシャリ感があり、通気性に富むので夏物衣料に向いています。(紳士服、スーツ、スカート等)
ポーラ たて、よこ糸にポーラ糸(異色の梳毛単糸を撚り合せた三子撚糸)を用いた密度の粗い平織り組織又は変化組織の織物です。(夏物衣料)
サージ 絹又は蚕を意味するラテン語のsericaに由来するもので、太さや密度が同じたて・よこ糸で正則斜文織りに織った織物。張りがあり丈夫。(学生服、ユニフォーム等)
ギャバジン 中世期にユダヤ人が着用していた外套の名前から由来、現在では織物名として通っています。斜文線が63度前後の急斜文織りで、綿ギャバ、化繊ギャバもあります。(紳士服、婦人服、コート、ユニフォーム等)
カルゼ イギリスのカージー(Kersey)地方で織り始めたのが名の由来。布地は弾力があって重厚。(コート等)
フランス綾 幅の広い、少し盛り上がった感じの斜めの畝(うね)をあらわした斜文織りの織物。(ドレス、スーツ等)
ヘリンボーン 斜文線によってあらわした柄が、ニシンの骨に似ているというのが名の由来。また、杉の葉にも似ていることから杉綾とも呼ばれています。(スーツ、コート等)
シャークスキン 鮫皮のような外観の梳毛織物。平滑で光沢があり、感触はやや硬め。(婦人服、シャツ、スポーツウエア、パンツ等)
カシミア カシミア山羊の毛を原料とし手織りで作ったものを指しますが、原料が高価なため多くは良質の羊毛でカシミア風に柔軟で、光沢のある織物を総称して呼んでいます。(高級婦人服・紳士服、マフラー,ショール等
フランネル(フラノ) 毛織フランネル(フラノ)と綿織フランネル(綿ネル)が代表的で、表面が軽く起毛しているので柔らかくて暖かい触感。(ドレス、スーツ、コート等)
ビエラ 毛50%、綿50%の混紡糸を用い、斜文織りにしたフラノ風の薄地の織物。イギリスのウィリアム社の斜文織りの商標からきています。軽く、柔らかで暖かい風合いが特徴。(シャツ、パジャマ、ドレス等)
ドスキン 雄鹿の毛皮の意味(doeskin)で、布地の外観や感触が良く似ていることから名づけられました。製織後にドスキン仕上げをします。(礼服、スーツ等)
ベネシアン 梳毛糸、紡毛糸や綿糸などで織り上げた、たて朱子組織の織物のことで、布に張りとこしがあります。(服地、コート等)
ツイード 原産地のツイード河にちなんでつけられたという説と、斜文織りをtweelと呼んでいたのがツイードになったという説があります。地厚で手ざわりは粗く、外観は野趣に富んだ織物。(紳士服、婦人服、ジャケット等
ホームスパン 本来はスコットランドで手紡ぎの紡毛を手織り機で平織りに織り、縮絨しない織物のことをいいましたが、現在では力織機で手づくり風に仕上げた織物が多い。(紳士服、婦人服、ジャケット等)
アストラカン カスピ海に注ぐボルガ川の河口、アストラハン地方に生息するカラクール種の子羊の毛皮に由来。この毛皮に似せて柔らかい巻き毛が表面に密生した織物を総称してよびます。(コートの袖口・襟、ショール等)
アムンゼン 梨地組織の梳毛織物で表面に不規則な粒粒があります。名の由来は、1930年ノルウェーの探検家アムンゼンが南極探検に成功したことから名づけられました。

絹織物
シフォン たて、よこ糸に強く撚りを加えた細糸を用い、軽く地薄で透けて見える平織りの織物で、生糸のまま織ったものが代表的。(ウェディングドレス、ブラウス、ベール等)
シャー 撚りの少ない糸を用い密度の粗い、軽く地薄で透けて見える平織りの織物。(ブラウス、子供服等)
タフタ たて糸を密にしてよこ糸はやや太目の糸を用いるので布面に畝があらわれる先練り織物。ペルシャ語のtaftahからきていて「撚り糸で織る」の意。(ドレス、裏地、リボン等)
羽二重 日本独特の織物で、たて糸をおさ一羽に2本通すことから名づけられました。(着物の下着、スカーフ、ドレス等)
塩瀬 寛政2年(1790年)にはあったという厚地の羽二重。細いたて糸に太いよこ糸を用いてよこ畝をあらわした織物のこと。(高級和服地等)
富士絹 明治時代に研究試作されたもので富士紡績の商標が名の由来。(ブラウス、シャツ、和服類)
ジョーゼットクレープ たて・よこ糸ともS,Z強撚糸を1本または2本交互に配列した平織りの縮緬です。手ざわりは硬めで皺になりにくい。(夏向き婦人服、スカーフ等)
クレープデシン シンは中国の秦をさし、フランスで18世紀に中国産の縮緬を真似したときに名づけられました。(ドレス、ブラウス、ランジェリ−等)
縮緬(クレープ) たて糸に生糸、よこ糸に生糸のS,Z強撚糸を交互に織った平織りの後練り織物で、織りあがってから、のり抜き、精錬をして、しぼを出します。西陣、丹後、長浜が産地では有名。(ドレス、羽織等)
シャンタン 中国の山東地方で織りはじめられたことから由来し、たて糸にさく蚕糸、よこ糸に太い節のあるさく蚕糸を用いた野趣豊かな織物。(婦人服、子供服、シャツ、ブラウス等)


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